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第60話 和真が墓穴を掘る夜

Author: marimo
last update publish date: 2026-03-12 20:47:40

 神崎和真は、いつもと変わらぬ顔で、会員制ラウンジのソファに身を沈めていた。

 外部の人間は決して足を踏み入れられない、選ばれた者だけの遊び場。

 間接照明に照らされた室内には、上質な酒の香りと、笑い声が充満している。

 集まっているのは、名だたる財閥家の御曹司たち。

 そして、そのうちの何人かが連れてきた女たちだった。

 モデル、女優の卵、インフルエンサー。

 肩書は違えど、共通しているのは、容姿とスタイル、そして“慣れ”だ。

 酒を飲み、大声で笑い、気に入った女を連れて帰り、一晩楽しむ。

 それが、この仲間内では当たり前の慣例だった。

 和真は、その輪の中心にいた。

 グラスを傾けながら、余裕の笑みを浮かべている。

 だが――どこか、いつもより神経質だった。

 そんな中、同じく財閥育ちで、和真や綾乃と幼い頃から顔見知りの男が、からかうように声をかける。

「なあ、和真。お前、綾乃を落とそうとしてるって聞いたけどさ。そろそろ、やっちゃった?」

 その瞬間、周囲から「キャー!!」と、無責任な歓声が上がった。

 女たちも、面白がるように笑う。

 和真は、露骨に顔をしかめた。

「おい、やめ
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